建設コンサルタントの技術者は、なぜこの業界に残り続けるのか?

採用や人事に携わっていると、ふと疑問に思うことがあります。

「建設コンサルタントの技術者は、なぜこの業界に残っているのだろう?」

道路が好きだから?
橋が好きだから?
災害対策に興味があるから?

もちろん、そのような理由でこの仕事を選び、誇りを持って働いている方もいます。しかし、多くの技術者と接してきた中で感じるのは、実際にはそれだけではないということです。

「社会インフラに携わる」という誇り

高速道路や橋、トンネル、河川など、人々の生活を支えるインフラに関わることに使命感を持つ技術者は少なくありません。

「自分が携わった道路を家族が利用している。」
「災害復旧に貢献できた。」

そんな言葉を聞くと、この仕事ならではの魅力を感じます。

「対象物」よりも「技術」が好き

一方で、「道路が好き」というよりも、技術そのものに魅力を感じている人も多くいます。

構造計算や地盤解析、点検診断、設計、CADやBIM/CIMなど、自分の専門技術を磨き続けることにやりがいを感じています。

道路でも橋でも河川でも構わない。新しい知識を身につけ、より高度な技術者になることが目的なのです。

実は一番多い理由は「人」

意外かもしれませんが、長く勤めている技術者ほど、「仕事の内容」よりも「一緒に働く人」を理由に挙げるケースが多くあります。

尊敬できる上司がいる。
信頼できる仲間がいる。
長年築いたチームワークがある。

こうした人間関係は、転職では簡単に手に入りません。

だからこそ、「今の会社に残ろう」と考える人が多いのです。

転職しない理由は、とても現実的

40代、50代になると、理由はさらに現実的になります。

役職もある。
家族もいる。
給与も極端に悪くない。

新しい環境へ飛び込むリスクを考えれば、「今の会社で頑張ろう」という判断になるのは自然なことです。

資格や公共事業への想い

技術士やRCCMなどの資格を取得し、その知識を活かしたいという思いもあります。

また、国や自治体、NEXCOなど公共事業に携わり、「社会を支える仕事をしている」という実感が、この業界を選び続ける理由になっている人もいます。

では、辞める理由は何か?

逆に退職理由を見てみると、

・給与への不満
・長時間労働
・発注者対応の負担
・報告書作成が多い
・将来への不安

などが上位を占めます。

「道路が嫌いだから辞める」という話は、ほとんど聞きません。

人事として感じること

私は、人事の立場から考えると、技術者が会社に残る理由は「何をつくるか」よりも「誰と働くか」のほうが大きいと感じています。

もちろん、仕事への誇りや専門性は重要です。しかし、それだけでは長く働き続けることは難しいでしょう。

尊敬できる上司がいること。
相談できる仲間がいること。
努力が正当に評価されること。
安心して成長できる環境があること。

こうした要素が揃って初めて、「この会社で働き続けたい」という気持ちにつながるのではないでしょうか。

建設コンサルタントという仕事は、道路や橋をつくる仕事である前に、「人」が支えている仕事です。

だからこそ、人を大切にする会社が、結果として技術者から選ばれ続ける会社になるのだと私は考えています。

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