【人脈】2人の親という人生最初の「異なる二つの人脈」
「人脈」の原点について語るとき、避けては通れない存在が親であることは、今まで話してきました。
世間ではよく、「身近な親すら大切にできない人に、新しい人脈を大切にできるわけがない」という正論が語られます。
確かにそれは一理あります。しかし、人生はそんな綺麗な正論だけで割り切れるほど単純ではありません。
何より、「親」というのは2人います。
父親と母親、それぞれ全く異なる人格を持った2人の人間であり、あなた自身が彼らと築いてきた接し方や関係性も、当然それぞれ違っていたはずです。
2人の親から受け継ぐ「二つの人間関係の型」
私たちは幼少期から青年期にかけて、この「2人の異なる人間」との間で、別々の人間関係のドラマを経験します。
父親との関係:厳格さ、理不尽さ、あるいは背中を見て学ぶような距離感。
母親との関係:無条件の受容、感情のぶつかり合い、あるいは過干渉への反発。
ある時期までは片方と仲が良く、もう片方とは激しく衝突していたかもしれません。
あるいは、成長する過程でその関係性がガラリと反転した経験を持つ人もいるでしょう。
本当に知ってほしいのは、この「2人の親とそれぞれ築いた別々の関係性の型(台本)」を、私たちは無意識のうちに、社会に出てからの「人脈」でも別々に再現してしまっているという事実です。
例えば、父親に対して抱いていた「どうせ認められない」という反発心を、会社の「上司や経営者」に対して無意識にぶつけてしまったり。
母親との間で感じていた「見捨てられるかもしれない」という不安を、「部下や仲間」との距離感で再現してしまったりするのです。
過去の後悔や歪みを、現在の人脈のエネルギーへ【変換】する
前も話したことがありますが、私自身の話をすれば、過去に親父を大切にすることができませんでした。そこには若さゆえの反発もあり、今でも消えない深い後悔と痛みを背負っています。
しかし、ボスガエル理論では、その過去の歪みや後悔をただの「傷」で終わらせません。
「あの時、父親との関係で果たせなかったこと、大切にできなかったという痛みがあるからこそ、今、目の前にいる新しい人脈(仲間やクライアントや今の家族)は、何があっても本気で大切にし抜く」
そうやって、過去の2人の親との関係性から得た「気づき」や「痛み」を、現在の人脈を豊かにするための強烈な原動力へと【変換】していくのです。
親との関係がずっと良かった人は、その温かさを人脈のベースにすればいい。
親との関係に激しいグラデーションや後悔があった人は、その痛みを反面教師にして、今いる人を死ぬ気で大切にすればいい。
2人の親という「異なる人脈の原点」を冷静に見つめ直したとき、あなたは自分自身の人間関係の癖に気づき、他人が書いた古い台本を破り捨てて、本当に強固な「本物の人脈」をここから築き直すことができるようになります。
<おすすめの行動>
自分の「2つの人間関係の型(台本)」を書き出す:
ノートを左右に分け、左側に「父親との関係(距離感や反発心など)」、右側に「母親との関係(甘えや不安など)」を思いつくまま書き出してください。次に、今の職場の「上司」や「部下・仲間」に対して、それと全く同じ態度や感情を無意識にぶつけていないか、冷静にチェックしてみましょう。自分の「癖」を自覚することが、他人の台本を破り捨てる第一歩になります。
【今日の一歩】
今日、職場で接する「上司(または経営者)」と「部下(または仲間)」の顔を思い浮かべ、「自分は今、親に対する無意識のフィルターを通さず、目の前の『その人自身』とフラットに向き合えているか?」と、心の中で一呼吸置いて問いかけてみる。

